理事長・院長挨拶
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理事長挨拶
2025年4月、晴和病院が新築開業しました。内村祐之初代理事長が創立した公益財団法人神経研究所は、創立の1951年から10年ほどはわが国を代表する組織でしたが、神経科学研究は大型化し、歴代の東京大学教授が専門としてきた神経病理学から分子生物学、分子遺伝学に舞台は移り、形態を捉える画像診断学からリアルタイムの機能的脳画像に進展し、民間の研究機関が加わる余地は少なくなっています。精神科臨床でも薬理学の進歩によって、長く精神医学の中心課題であり続けた統合失調症の治療は格段の進歩を遂げて、都心にある当院での統合失調症患者の比率はもはや数%になっています。精神疾患にも多様化の波が押し寄せ、ニューロダイバーシティの時代になったといえるように思います。
この時代に適合し、未来に向けて発展できる研究所、附属病院の使命はなにか。それに応えるために、当院が先駆的な役割を担ってきた過眠症を中心とする睡眠障害診療に、この15年余で急速に大きくなった成人の発達障害診療を加えました。これに従来のうつ病や不安症などの臨床と合わせて、新たな三本柱としました。すでに旧晴和病院、小石川東京病院時代の過去10年でこの精神科臨床はしっかりと形になってきたと思います。
新しい法人の下には、従来の晴和病院という医療機関とは別に、自立支援や生活の質を向上させることを目的とした生活訓練センターを附置します。生活訓練センターでは障害者就労で当事者にも活動してもらい、自立に向けた訓練を展開したいと思っています。同時に法律相談や心理カウンセリングも開始する予定です。これに2023年から受託した東京都発達障害者支援センター(おとなトスカ)と新宿区地域生活支援センターが連携していくことを目指しています。障害者から納税者になってもらう試みを、法人をあげて取り組みます。みなさまのご支援と協働をこころからお願いいたします。

公益財団法人 神経研究所附属 晴和病院
理事長 加藤 進昌
理事長略歴
| 理事長:加藤 進昌 | |
| 昭和47(1972)年 | 東京大学医学部卒業 |
| 昭和48(1973)年 | 帝京大学精神医学教室助手 |
| 昭和50(1975)年 | 国立精神衛生研究所精神薄弱部研究員 |
| 昭和53(1978)年 | 国立精神・神経センター神経研究所研究員 |
| 昭和54~56(1979~1981)年 | カナダ マニトバ大学医学部生理学教室留学MRC Fellow |
| 昭和58(1983)年 | 国立精神・神経センター神経研究所研究室長 |
| 昭和61(1986)年 | 滋賀医科大学精神医学教室助教授 |
| 平成8(1996)年 | 滋賀医科大学精神医学教室教授 |
| 平成10(1998)年 | 東京大学大学院医学系研究科精神医学分野教授 |
| 平成13~15(2001~2003)年 | 東京大学医学部附属病院病院長(併任) |
| 平成19(2007)年 | 昭和大学医学部精神医学教室教授、昭和大学附属烏山病院院長、東京大学名誉教授※ |
| 平成24(2012)年 | 昭和大学大学院保健医療学研究科教授 公益財団法人神経研究所理事長 兼任 |
| 平成26(2014)年 | 昭和大学発達障害医療研究所所長 |
| 令和4(2022)年 | 昭和大学名誉教授※ / 公益財団法人神経研究所理事長兼所長※ |
| 令和5(2023)年 | 東京都発達障害者支援センターおとなTOSCAセンター長 兼任 |
| 令和6(2024)年 | 東京都発達障害者支援センターおとなTOSCAセンター長 退任 |
| 令和7(2025)年 | 東京都発達障害者支援センターおとなTOSCAセンター長 兼任 |
※現職
院長挨拶
晴和病院は2025年4月から新築の建物で診療を再開しました。建て替えの期間中、2020年6月から文京区の小石川東京病院に一時移転しており元の場所に戻ってきた形になります。新しい時代の機能が数多く取り入れられ、電子カルテ導入、機能の近いデイケアと入院作業療法の隣接、などの課題が実現し、一方晴和ホールやルーフテラスは昔の晴和病院の面影も残しています。また同じ建物内に病院とは別組織の色々な付加機能が企画され、社会により開かれた形になっているのではないかと思います。
外来は、従来通りに、うつ病をはじめとする精神疾患一般を扱うほか、睡眠障害、発達障害の専門外来が社会のニーズに従って増強されて来ています。臨床心理士による心理検査や一部のカウンセリングも引き続き行っています。デイケアでは、リワーク、生活支援、発達障害などのコースがあり幅広い必要性に対応しています。
入院は二病棟104床の開放病床で任意入院のみを受け入れています。ホテル的な個室の割合が高いのも従来同様です。また睡眠障害の短期検査入院、発達障害の診断評価のための2~3週間の入院の設定があります。
創立時からの伝統である家族でも入院させられるような温かい雰囲気の中で治療する環境の良い病院として、変化を続ける社会状況に対応しながら皆様のメンタルヘルスの向上に資することができるように努力を重ねて行きたいと思っております。今後の発展のため、皆様の御意見を頂ければ幸いです。

公益財団法人 神経研究所附属 晴和病院
院長 小田 英男
院長略歴
| 院長:小田 英男 | |
| 1988(昭和63)年 | 東京大学医学部卒業 |
| 1991(平成03)年 | 南埼玉病院精神科 |
| 1992(平成04)年 | 都立北療育医療センター神経科 |
| 1993(平成05)年 | 都立松沢病院精神科 |
| 2001(平成13)年 | 群馬県立精神医療センター部長 |
| 2003(平成15)年 | 財団法人神経研究所附属晴和病院 |
| 2009(平成21)年 | 財団法人神経研究所附属晴和病院リハビリテーション医長 |
| 2016(平成28)年 | 公益財団法人神経研究所附属晴和病院院長就任(6月) |
| 2020(令和02)年 | 医療法人社団大坪会 小石川東京病院院長就任(6月) |
| 2025(令和7)年 | 公益財団法人神経研究所附属晴和病院院長就任(4月) |
